優しい瞳が

私を惑わせる

私の求める人は

誰…?





aqua 第一部 3






「まぁなんて恰好で…寒いだろう?」
長い髪の男は月花に着ていた薄いロングコートを羽織らせた。
「君、名前は?」
「月花…です」
月花はしどろもどろに答え、いつものように長い髪をかきあげようとした。
…あれ?
水に映る月花の長い髪は肩まで切られ、人ではないことを明らかにしていた白い肌と一際目立つ紅い唇
もそこには映っていなかった。
「…嘘…」
声も以前よりは少し濁っている…
「月花、君帰る所がなければうちにくるかい?私は琉、そこのコテージに住んでいるんだ」
琉の言葉に我に返った月花は隣にいた青年を見た。
「彼は蔭だよ。蔭?この娘君に興味あるみたいだよ」
琉が笑った。
「…俺…探してる人がいるから…」
そっけなく蔭はその場を去ってしまった。


「月花…」
琉は月花に真っ白のワンピースを与え、広いベッドに寝かせた。
自分はその脇に寝転がり、優しく月花を抱き締めた。
「君には初めて会った気がしないよ…」
温かい琉の体温を感じながら月花は目を閉じた。



翌日、琉は月花を海岸に連れ出した。
青い空、温かい砂、月花が求めていた歩く感触…

岩場に行くと、そこには蔭がいた。
「どうしたんだい?」
琉が尋ねると蔭は振り返り淋しそうに笑った。
「確かここに…探していた人がいたんだ。でも…だれだか思い出せない。不思議だろ?」
蔭は笑ってその場を去った。
なにかがちくりと刺さった気がしたのはなんでだろう…



琉は何も知らない月花を優しく世話してくれた
優しく微笑むその瞳
温かい心
月花は
そんな琉に不思議な感情を抱いていた…
この人かもしれない
でも
実行への移し方も解らない以前に
なにか腑に落ちないのは何故だろう?


次の日の朝も
蔭はそこにいた
その次の日も
月花が蒲団からはいでて外を見ると
彼はそこに座っていた


「捜し物は見つかりませんか?」
月花が尋ねると蔭は笑った。
「何を捜しているかも解らないんだよ?」
「そうですね…」
その瞳は淋しそうに遠くをみつめていた。





月が丸い
今日は最後の夜
どうやったら
私は…痛みを得るのだろう…
コテージのテラスで月を眺めていると琉が月花を中へ呼んだ。


琉はゆっくりと月花の首に有るリボンに手を掛けた。
次の瞬間白いワンピースは床に滑り落ち、月花の初な肌を月が照らした。
「月花…」
琉は戸惑う月花をベッドに寝かせ、深く口付けた。
「…ん…ぁ…」
二人を繋ぐ糸が銀色に照らされ、それを手繰るように二人は再び唇を重ねる。
琉は髪に絡ませていた指を滑らせ、胸元へ這わせた。舌は月花の唇から漏れた液を拭い、
首筋を通り胸元に花を咲かせる。
「…ぁ…は…ん…」
豊満な胸を大きな手で揉みしだき、口に含む…指と舌で突起を捏て月花の嬌声を呼んだ。
「はっ…ぁ…ん…んぅぅ」
片手は月花の指に絡ませたまま別の手を腰に這わせ、脚の間に近づく。
そしてまた腰を登る…触ろうとしながらひたすら月花をじらした。
「あっ、んん〜り、りゅぅぅ…」
名前を呼ばれたのを確認するように琉は弄んでいた突起から顔を離した。
「…ん?」
「…く…」
少女の声に限界の色が見える…まだ肝心の痛みを伴っていないというのに…琉は体を起こし脚を割った。
細い脚の内側は予想以上に潤い、月光を浴びながら輝いていた。
初めての行為に月花はきちんと反応を示していた。
「少し…力を抜いて」
濡れ過ぎてしまった月花の秘部を舐める。月花は荒い嬌声を上げながら琉の髪に両指を絡ませ行為を行い易くした。
「っりゅぅ…だ、だめぇっ…!」
琉はゆっくり指を躯の曲線に添わせて上下させると、月花の腰はそのリズムに乗って跳ね上がり唇は唄を奏でた。

いったん離した後、脚をずらし指を入れると、琉は月花をゆっくりと掻き回した。
「あんッ、はぁっ…んぅ」
躯に軽い痛みが走る…でも、まだ違う…
「慣れさせるから…我慢して」
月花の中はまだ行為に慣れず柔らかい。月花は苦しそうに額に汗を浮かべた。

「月花…」
ゆっくりと指を抜くと月花は薄々次が本番であることを悟り、顔を強張らせた。
「大丈夫だよ…」
ゆっくりと月花の中に差し込むと月花は激しく肩を上下させた。
「いやっ、いたっ、ぁぁぁっ!」
外から異物を迎えた月花の内側は悲鳴を上げる。
「大丈夫…口開けて…」
月花になんども啄むキスを与えた後琉は深く咥内を犯した。
月花の気がそちらに向いた時、琉は一気に自分自身を突き上げた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!」
初めてである事を示す鮮血を潤滑油に琉は深く深く最奥まで月花を追い詰めた。

この痛み
私にかせられた
課題
見つけた
私の
運命の人…




琉が月花から離れ、溢れる鮮血を拭った。

「おめでとう、月花…



君の負けだよ」


「……!?」


月花の中に鋭い痛みが走った
頭が痛い



「何故 約束をやぶったの?」

振り向くと戸口の所に美しい女性が立っていた。

「時間よ、月花…」


その言葉を引き金に、月花に全ての記憶が返ってきた。
「…っ!蔭!!」
青ざめた顔で躯を押さえ叫ぶと傍らにいた琉は、高く笑った…






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